400G ethernetはまずは、DCのコアに導入され。次に事業者間接続に使われると考えられます。事業者間接続は二社が直接接続するprivate peerと複数の事業者がIX事業者によるサービス点を利用する形態があります。
世界各地にあるIXにおける事業間接続の状態はhttps://www.peeringdb.com/から参照する事が可能です。
トラフィック量は非公開が大半ですが、100G x 4以上の接続をしている箇所は何か所かあり。400Gへの導入が期待されます。
使用されるスイッチの選定
接続ポート数は”1”はあり得ない。
通信事業者がIXサービスに接続する場合。1本だけはきわめてまれです。故障やメンテナンスを考えると2本。障害時に帯域が半分になってしまう事を嫌うとラーマ人に倣って3本としたいところですが、通信機器の回線分散機能との相性を考えると4本。1.6Tbpsの接続にしたいところです。
これを受け止めるIX側のスイッチは、400Gを何ポート備え。ノンブロッキングを実現するにはどれだけの容量が必要なのでしょう。
cisco Nexus 9500の仕様をみると。16 slotモデルではラインカードあたり3.84 Tbp筐体のファブリック容量は 60Tbpsとなっています。2019/06現在まだ400Gのラインカードは発表されていませんがラインカードの容量から推測すると。400G x 4のラインカードが想定され。筐体あたり400G 64ポートとなります。
全てのポートを400Gとすることなく、100Gでの接続事業者も多いでしょうからポート構成は混在するでしょうがIXサービスとしては十分だと思われます。
おそらく、接続点あたり二台の設置になるでしょう。
伝送装置
通信事業者の拠点とIXサービス点が同一のDCにある場合も多くありますが、首都圏ではあるが異なるDCの場合は400G対応の伝送装置が必要になります。
2019/06の時点ではTRUNK区間は400Gではなく、200Gを二波束ねるタイプがコスト的にバランスが良さそうです。
HUAWEI OSN902
400G QSFP-DD client, 200G(PDM-16QAM) x 2 trunk x 6 slot
CIENA 6500
400G trunk 300km。
CIENA Waveserver
trunk 200G x 2 16 QAM, 300km,50G hz gridで
Infinira (coriant) grove G30
infinera cloud express
顧客ルーター | 400G SR8 | 伝送装置 | 200G x 2波 C band | MUX | 40波多重 | AMP |
IX内ネットワーク構造
IXのサービスの基本は、一か所に高容量のスイッチを設置しそこまで各通信事業者が回線をひぱってきて接続するものでした。今日では多くのIX事業者が自らメトロエリアの回線を用意し、通信事業者の拠点設備があるDCまで接続点を延長する構成になっています。
この場合に必要とされる回線帯域は、スイッチの内部バスに相当する大変広帯域なものが求められます。
初期の段階では、遠隔接続点にはスイッチを置かず伝送装置のみとなるでしょう。ローカルなトラフィックも伝送装置経由になってしまいますがごくまれなケースだと思われるからです。単純な迂回線路が無いP2Pであれば200G x 40波は難しくはありません。
迂回回線を用意し、スイッチも分散配置となるとメンテナンス時のシナリオなど複雑になってきます。
当初は一か所でのサービス開始になると思われますが。そのが場合でも機器の二重化および瞬断を生じさせない回線切り替えなどの処置は必要です。
使用される伝送タイプ
トランシーバ屋としては、接続に使用されるのはどの伝送モードのトランシーバーになるかが気になる所です。同一の建屋内の接続であっても、400G SR4.2/SR8では100m以下ですので使われる事はないと考えています。
建屋内での配線の有力候補は400G FR4でしょう。2kmまでLC二心で接続可能ですのでフロアをまたがる配線も可能です。これのコスト低減案として400G DR4が考えられます。8芯のシングルモードファイバーを必要としますので、フロアをまたがる配線はファイバーの利用料金が芯数単位の場合が多いためコストメリットは薄くなりますが。同一フロア内ではメリットがあります。
伝送装置を使用しない建屋間は400G LR8でしょうか。同じ10kmであれば400G LR4も考えられます。更に距離がある場合は400G ER8となるでしょう。
伝送装置を経由するもしくは400G ZRとDWDM波長多重の組み合わせは、40km以上のファイバー距離になる場合には必要になります。伝送装置との接続は400G SR8となるでしょう。
400G ZRに関してはは別項。
想定される伝送モード | cost range | |
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同一フロア内 | 400G DR4 | 80万円 |
同一拠点内 | 400G FR4 | 200万円 |
隣接拠点間 | 400G LR4 or 400G LR8 | 800万円 |
伝送装置接続 | 400G SR8 or 400G FR4 | 80万円+二千万円 |
想定される顧客側の機器
フルルートを保持し、豊富なフィルター機能を備える機器と言うと限られます。
- cisco NCS5500
- HUAWEI NE9000
- Juniper MX240/480/940
- Arista 7800R3
100G サービス開始の道のり
- 2010年6月 Interop Tokyoで100G対外線接続
- 2011年7月 JANOG28「IXと100Gbit Ethernet」
- 2012年5月 JPNAPにて100Gインタフェースの提供開始
- 2013年5月 Arcstar Universal Oneの100G商用サービス開始
評価作業の日程(希望的観測)
- CY2022 ? スイッチの分散配置
- CY2022Q1 400G ZRの導入
- CY2021Q1 遠隔IX接続点のための伝送装置の検討
- CY2020Q4 同一DC内での400G IXサービスの試験運用開始。
400G FR4と100G CWDM4がメイン - CY2020Q3 品質モニターシステム構築、異機種接続試験
- CY2020Q2 運用機器導入
- CY2020Q1 障害切り替え試験
- CY2019Q3 400G対応スイッチの基礎評価。400G SR8が試験用に使われる
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- CY2019Q3 interop tokyo shownetでNE9000, MX240, QFX5220, Nexus3408の400G相互接続