光損失(IL) Insertion Lossとリターンロス/反射率(RL)Return Loss

2km以下のDC内シングルモード接続では距離に応じてのファイバーの減衰ではなくコネクターによる減衰が支配的です。

LCやMPOコネクタによって光ファイバーを接続する時の品質は主に減衰と反射で表すことができます。減衰はその名の通り光の強さが伝わるときのロスですが反射とはなんでしょうか。それは光が光ファイバーに入るときに光が跳ね返ってくる量を示します。

シングルモードの光ファイバーが接続されるときに重要なのは、

  • 接合面が適正な圧力で接している事。
  • 端面が汚れていない事。
  • 軸がずれていない事。
  • 角度が異なっていない事です。

接合面がわずかに離れている時の減衰は実はそれほど大きくありません、金属接点の電流と異なり光は空中でも伝搬されるからです。0.02mmの隙間でも0.1db以下の減衰と言われます。しかし、反射の値は大きくなりおおよそ14.7dBあります。

このことが接続障害時の原因追及に手間取る原因になります。パワーメーターだけでは間隙があることを判断するのが難しいからです。

また、隙間なく接している場合でも端面の形状によって反射の値は異なります。最も反射が少ないのはAPC研磨と呼ばれる斜めに端面をカットしかつ中央に対して凸曲面を加工したものです。しかし、APCは双方が必ずAPCである必要があることと回転方向が不定のLC接続にはあまり使われません。

これに対し、コスト的に安価でよく使われているのが垂直にカットし球面加工したPC研磨です。加えて低反射加工したものがUPC研磨であり、この二つには相互接続性があることもありシングルモードではUPCが一般的であると言えるでしょう。

略称   反射 加工方法 用途
フラット 平面研磨   垂直にカット 接合剤を使用
PC Physical Contact 30dB 垂直にカットし球面加工 マルチモードで一般的
SPC Super PC 40dB 垂直にカットし球面加工+低反射研磨  
AdPC Advanced PC 40dB 垂直にカットし球面加工+低反射研磨 NTT仕様
UPC Ultra PC 50dB 垂直にカットし球面加工+低反射研磨 シングルモードで一般的
APC Angled PC 60dB 斜め8度にカットし球面  

(フレネル反射、空気中と光ファイバーの屈折率の違いによって生じる14.7dB)

減衰の目安

LCコネクタの接続減衰は最大で0.3dB実際は0.1 dB程度。MPOは最大で0.35 dB実際は0.15 dB程度です。これ以上の場合は端面のクリーニングなどの作業が必要です。また、コネクターハウジングの損傷によるガタやロック不良なども考えられます。

ケーブルの減衰はシングルモードの場合はDC内の接続では基本的には考慮する必要がありません。マルチモードは考慮すべき値ですがそれ以上にOM3などを使用した場合の帯域の不足に注意する必要があります。

ファイバーの種類と波長 減衰量 主な用途
OS1 O band 1310nm 0.5 dB / km 100G LR4/CWDM4/PSM4
OS1 C band 1550nm 0.3 dB / km 10G ER
OM3 850nm 3.5 dB / km 10G SR
OM4 850nm 2.5 dB / km 100G SR4

 

帯域とは早い信号変化を鈍らないで伝わる能力の事で、これが足りない場合は強度的には十分であっても正しく波形から信号を取り出すことが出来なくなります。

 

PSM4と反射

シングルモードにより使いやすい距離を最も安価に実現する100G PSM4ですが。反射に関してはあまり余裕が無いと言えます。特に、多芯のMPOコネクターによる接続になるために注意が必要です。

Description PSM4 CWDM4 LR4 SR4
Power budget 6.2 dB 8 dB 8.5 dB 8.2 dB
Channel insertion loss (max) 3.26 dB 5 dB 6.3 dB 6.48 dB
Optical return loss (min) 35 dB 21 dB 26 dB 12 dB
Positive dispersion (max) 1.2 ps/nm 6.7 ps/nm 9.5 ps/nm  
Negative dispersion (min) -1.4 ps/nm -11.9 ps/nm -28.5 ps/nm  

100GPSM4-cable.png

仕様上想定している接続形態はパッチパネルを4か所経由するコネクター接続が6か所あるものです。総合減衰は3dbを見込んでおり一か所のコネクター接続で0.5dbとしています。MPOコネクターの仕様では0.35dB以下実測では1.5dB程度ですので減衰についてはマージンがあると言えます。

反射(reflectance)は35dbとしていますので、全てのコネクタ接続の研磨がUPCもしくはAPCである必要があります。実際に市場に出回っているシングルモードのMPOコネクターはAPC(斜めカット)処理がされていますので問題にはならないと思われますが確認すべきポイントです。

例えば、中間のパッチでLCにブレイクアウトし接続したときにLCに反射が大きい研磨面があると通信障害の原因となる可能性があります。繰り返しになりましがパワーメーターでは検出出来ない障害です。

dispersionの値が厳しいのは1310nmのシングル波長なので問題ありません。

LCよりもMPOの方が間隙が生じやすいのではないか??

マルチモードのSR4はreturn loss 12 dBまで許容しますので基本的に研磨面の配慮は必要ありません。仮に間隙があって14.7dBのreturn lossがあっても計算上は規格に収まります。

IEC SM Connection Performance Grades

IEC 61753-021-2 for performance level D/1

Attenuation grade Attenuation in random mate
A Not yet defined
B ≤ 0.12 dB mean ≤ 0.25 dB max for > 97% of samples
C ≤ 0.25 dB mean ≤ 0.50 dB max for > 97% of samples
D ≤ 0.50 dB mean ≤ 1.0 dB max for > 97% of samples
Return loss grade Return loss in random mate
1 ≥ 60 dB mated, ≥ 55 dB unmated
2 ≥ 45 dB
3 ≥ 35 dB
4 ≥ 26 dB

 

コネクター以外の光ファイバー接続方法

メカニカルスプライス+ジェル接続

光ファイバーの外径をV字型などの溝に落とし込むことにより、位置精度を確保し接合面に光ファイバーと同じ屈折率のジェルを挿入する方式。

融着

光ファイバーのコア同士を精密に位置合わせをして、熱により溶かして接続する。位置合わせの絶えに高度な光学装置が必要なため、従来は大型で高価な装置を必要とした。

  MPO LC ジェル 融着
減衰 0.15 0.1 0.05 0.02
反射        

小型で安価な融着機も登場したため、メカニカルスプライスはあまり使われなくなった?

ファイバーのコア同士をずらさずに接続するのは難しいが最近は外径をあわせればコアの位置も合うほどファイバーの偏芯精度が上がっている。

12芯など多芯のテープを同時に融着できる機種もある。

単芯なら60万円程度。


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