[2021/01/19追記]ciscoによるAcaciaの買収がキャンセルから再契約
2019年7月にアナウンスされたciscoによるAcaciaの買収は業界に大きなインパクトがありました。すでに高い評価を受けているAcaciaを高額で買収する驚きと、今後のコヒーレント技術の重要性を再認識させるものでした。
ところが、2021年1月9日のニュースではこの買収がキャンセルされるとの事。
http://ir.acacia-inc.com/news-releases/news-release-details/acacia-communications-terminates-merger-agreement
ところがところが、2021年1月14日再契約
https://newsroom.cisco.com/press-release-content?type=webcontent&articleId=2137402
表記は"400ZR"?
IEEE 802.3ct
2019年3月にモントリオールで行われた会合を資料をみると400G ZRの仕様をベースに標準化作業が行われるようです。
OFC2019ではより汎用性を持たせた400G ZR+が提案されており。やはりIEEEは後追い状況からは抜け出せないのでしょうか。予定では2021年9月まで作業となっておりまだしばらく時間がかかりそうです。
波長グリッドは75GHzで決まりかな。
59.84375GBd DP-16QAM = RAW rate 480Gbps
400G ZR+
OFC2019の会場では"ZR+"が主役?何がプラスかと言うと多様な変調方式をサポートして、400G以下の100Gから上の伝送仕様全てに対応して、現状は各装置に実装されている変調機能を全てカバーしてしまおうと言うもの。これによりコストを下げれると。
伝送装置ベンダーにとっては脅威でしょう。
400G | DP-16QAM | up to 1,000km |
---|---|---|
300G | DP-8QAM | up to 2,000km |
200G | DP-QPSK | up to 4,000km |
100G | DP-QPSK | up to 8,000km |
===================================================
分散は大きいが減衰が少ないために長距離に向いているCバンド(1550nm)で光の波としての特性を利用するトランシーバー。DWDM MUX/DEMUXと組み合わせて利用されるのが一般的。
NRZのコストを1とするとPAM4は2くらいなのに対してACOは10、DCOは20くらいとコヒーレントになるとコストの桁が違う。パッケージも特にDSPを内蔵するDCOは大きめなのが必要。
2017年10月現在CFP2パッケージの製品が主力。
Edge-Core Networksの製品であればAS7812-24S(16 x QSFP28 + 8 x CFP2)が対応。
信号処理の一部をトランシーバーモジュール内のDSPで行うか、外部で行うかでDCOとACOと名称が異なる。
Analog Coherent Optics (ACO)
Digital Coherent Optics(DCO)
DCOの方がトランシーバーのコストは高いし消費電力も多い。機器側の対応が楽。
規格上定義されている変調フォーマットは以下の通り
- 100G DP-QPSK (28G x 2 x 2)
- DP-BPSK(2x1)
- 150G DP-8QAM(2x3)
- 200G DP-16QAM(2x4)
- DP-32QAM(2x5)
- DP-64QAM(2x6)
Baud Rateは16bitで 0.01GB単位
OFC2017では富士通オプティカルが64G x DP-64QAMにより600Gbpsを展示。
OFC2018のコンファレンスのQAでは、DCOばかり注目されるようになった理由についてやり取りがされた。機能的には高価で実装できるベンダーが限られるDSP部分を分離したACOが当初は有用と考えられたが、専用のシャーシを要求しないDCOの望む声が圧倒的。なので、実装は難しいが各ベンダーDCOに注力しているとのこと。脱伝送装置の流れ。
Technical Specifications of cisco ONS-CFP2-WDM
cisco製品ではNCS1002用にONS-CFP2-WDMが用意されており、GPLで$ 134,000。
modulation | DP-QPSK | DP-16QAM | DP-16QAM | DP-16QAM |
line rate | 100G | 200G | 250G | 200G |
BAUD | 28G | 28G | 36G | 32G |
bit/symbol | 4(2x2) | 8(2x4) | 8(2x4) | 8(2x4) |
FEC | 7% FEC | 7% FEC | 7% FEC | 20% FEC |
TX max | -1.5dBm | |||
TX min | -10dBm | |||
RX max | 0 dBm | |||
RX min | -20 dBm | |||
distance | 4,000Km | 800Km | 500Km | 800km |
cisco NCS2K-400G-XP $ 273000.00
DCOカードに相当200G x 2、ACO CFP2スロット
通信機器の対応
cisco |
NCS1002 + ONS-CFP2-WDM NCS2K + 400G-XP + ONS-CFP2-WDM |
ACO |
Juniper | TCFP2-100G-C | ACO |
Arista | DCS-7500E-6CFPX-LC + CFPX-100G-DWDM | ACO |
Arista | 7500R-8CFPX + CFPX-200G-DWDM | ACO |
主なベンダー
package | 出荷時期 | price | ||||
FINISAR | FTLC3321x3NL | CFP2 ACO |
100G DP-QPSK
150G DP-8QAM
200G DP-16QAM
|
13W | $50,000? | |
Fujitsu | FIM38550 | CFP2 ACO |
100G DP-QPSK
200G DP-16QAM
|
12W | 2016Q2 | |
Fujitsu | FIM38X00 | CFP DCO | ||||
NEC | CFP2 ACO | |||||
NEL | ||||||
ARISTA | CFPX-200G-DWDM |
CFP2
ACO
|
DP-16QAM | 15W | $74,995 | |
Oclaro | CFP2 ACO | |||||
Acacia | CFP2 ACO/DCO | |||||
NeoPhotonics | CFP DCO | |||||
NeoPhotonics | QSFP-DD | 400ZR | 18W | |||
Inphi | color Z II | QSFP-DD | 400ZR | 2019/11 | ||
FOC | 400ZR+ | 2020/10 |
従来方式とコヒーレントの違い
従来の光による通信方式は、光がオンかオフかで信号を判別していました。これに加えて強さで差を利用したのがPAM方式です。
コヒーレントは光を電波と同じ波として扱う方式です。それによって偏波面や位相を信号変化に使用することができます。電波では従来から確立している方式ですが同じことを光で行うには非常に高速な処理が必要です。
高速なDSPの登場により可能になった方式です。
例えばDP-QPSKは、偏波面で二倍(偏波多重)と4相位相変調の組み合わせで4倍の情報量を実現します。
多値変調により変調速度を上げられないC bandの波長で一波長あたりの伝送容量を稼ぐことができるので長距離伝送に使えます。しかし、その回路は複雑で従来は大規模な伝送装置が必要でした。それがCFP2パッケージに収まるようになり提要範囲が拡大しています。
DPとPMは同義
偏波多重(Dual Polarization:DP)
polarization-multiplexed differential Quadrature Phase Shift Keying (PM-QPSK)
600G
ECOC2017でKEYSIGHTは64G x 64QAM(6bit) x 偏波(2bit)で600G伝送のデモをしています。おそらくO bandなので80km位でしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=_acbfNIWhhc
1.2Tbps
イーサネットの仕様としては1.6Tbpsが想定されますが伝送の観点からは1.2TbpsのCFP2トランシーバーが検討されています。
波長多重数
50Ghz grid 80ch。1528.74nm -1828.80nm
100GBASE-ZR
Juniperは製品名に表記しているが、IEEEのスタンダードではない。
DP-QPSK + FEC、120.579Gbps 1546.119nm、+5dbm TX、-20dbm RX
400G対応
2017年秋現在、200GのCFP2トランシーバーが出荷されています。さらに高速なCバンド長距離伝送を実現するにはどのような方式が考えられるでしょうか。一波長を前提に考えると変調速度を上げるか変調密度をあげるしかありません。
変調速度を上げると伝送距離が短くなる、変調密度を上げると回路が複雑になり消費電力が増大します。S/Nも要求度が上がるので距離も短くなる。このふたつの兼ね合いを考えると。
変調速度 | 変調 | 偏波面 | raw rate | distance | grid | |
200G DP-16QAM | 32G | 4bit | 2bit | 256Gbps | 2,000km | 50GHz |
400G DP-64QAM | 42.7G | 6bit | 2bit | 512Gbps | 1,000km? | 50GHz |
400G DP-16QAM | 64G | 4bit | 2bit | 512Gbps | 100km? | 75GHz |
DP-64QAM | 64G | 6bit | 2bit | 768Gbps | 100km? | 75Ghz |
MB-OFDM | 32G | 512Gbps | 100GHz? |
links
OIF Technology Options for400G Implementation
400GBASE-ER
400G ZRはチューナブルC bandなので、LR8とZRの間の40km rangeの固定波長仕様も考えられる。コヒーレントではなく、LR8を延長するよう方向ではないか?
(2020/11/04 update)400GBASE-ER8で決まり
OIF 400ZR Project
15W以下のパッケージで400G DCOを目指している。アンプなしで80Km。MUX/DEMUXを使ってDWDM波長多重してダークファイバーに乗せる場合はアンプが必要。こちらの方が主要な想定。
64G baud、DP-16QAMを想定。
送信+2dBm、受信-23dBm、link budget 25dB。
40km版は送信-10dBm。
QSFP56-DDには入らないのでOSFPかCFP8が候補かと思われる。
56Gbps PAM4 x 8でやろうとすると、受信で-17.16dBm必要なので送信で7.8dBm必要。不可能ではないが。
OFC2018にてOSFPパッケージのACOタイプがデモ、あくまでも昨日展示用でACOを販売する予定はなくOFC2018に向けてDCOを開発中とのこと。QSFP56-DDも長さがを延長したtype 2であれば収まる見込み。
楽観的な見通しでは2019年2Hに製品出荷が始まる。
CFP2は1.2T or 1.6Tを目指している。
open trans port とDCIの違い
同じDCOタイプのコヒーレントトランシーバーを使うソリューションだが、open transportはROADMの置換えを狙った伝送パスのマネージメントを行うもので、こちらの方が管理するAPIは複雑であり難しい。
対して、DCIはpoint to pointの接続であり、トポロジー管理はDC内とLANと同様で特に管理を行わない。光レベルの監視とアンプのゲイン指示程度。従来使用している伝送装置を完全に無くす構成になる。
もっとも、WDMで多重を実現するためにはチューナブルなトランシーバーとMUX/DEMUX、痩身アンプ、受信アンプが必要であり管理すべきデバイスがゼロになる訳では無い。
波長多重をしなければ、ERもしくはZRのトランシーバー直結で何も伝送装置は使わないが。多くは波長多重で40から64程度多重するのでC bandの伝送装置を経由する。
1)従来
LR4なりでスイッチと伝送装置、伝送装置で波長を割り当てたC band、MUX/DEMUXーアンプ
2)移行中
チューナブルなコヒーレントトランシーバーからMUX/DEMUXーアンプ
チューナブルなトランシーバーを収容するには特別な箱もしくはラインカードを必要とする。
3)今後
QSFP-DDのチューナブルトランシーバーーC band - MUX/DEMUX-アンプ
400G ZRが狙っている運用スタイル。2019年後半には実現可能の見込み。
DWDM減衰見積もり例
MUX | BA EDFA | cable loss | PA EDFA | DEMUX | total | |
---|---|---|---|---|---|---|
減衰 | -3 | 12 | 26 | -3 | ||
Passive Dispersion Compensationで更に-3.5db
PDFA(
BA(Booster AMP)
PA(Pre AMP)
海底ケーブルの伝送仕様
主な太平洋横断ケーブルシステム
運用開始年 | 総容量 | ch毎 | |||
---|---|---|---|---|---|
1906年 | 同軸 | ||||
1989年 | TPC-3 初の光 | 560M | |||
2010年 | UNITY | 20T | 40G | ||
2013年 | PC-1 | 21,000km | 8.4T | ||
2016年 | FASTER | 9,000km | 60Tbps | 100G | QAM |
2019年 | Open cable(香港) | 12,800km | C+L band | ||
NCP(New Cross Pacific) | 13,618km | ||||
Jupiter | 60T | ||||
Indigo |
FASTER
50G GRID 6 pair , 12.25G baud, 100G x 100ch x 6 pair = 60T
https://www.nec.com/en/press/201805/images/1502-01-01.pdf
MAREA
大西洋 6,604 km。8 pair 160Tbps. ifinea 26.2Tbps 16 QAM
400G ZR対応のDSP提供ベンダー
7nm プロセスのDSPが必要と考えられ、提供できるベンダーは限られる。
HiSilicon
Infinera
FOC(Fujitsu)
2020年2月28日 トランシーバーパッケージをアナウンス
https://www.fujitsu.com/jp/group/foc/resources/news/press-releases/2020/20200228.html
vender | brand | annouce date | |
---|---|---|---|
ACACIA | Greylock | 2020/03/06 | |
Inphi | Canopus | 2019/11/25 | |
NTT Electronics | ExaSPEED TERA | 2019/02/27 | |