広範囲温度補償10G SFP+トランシーバーの携帯電話事業者での運用事例

4G世代とイーサネット

携帯電話の設備は3G世代までは、イーサネット技術はあまり使われず独自の製品分野でした。それが4G世代になりイーサネットを初め一般的なIT技術が導入され、コストの低減と高速化を支えています。しかし、その設置環境は一般オフィスやデータセンターとは異なり空調設備が整わない場合が多く低温もしくは高温の過酷な環境で動作することが要求されます。

特にレーザー製品は低温では正常に発信をしなくなり高温になれば波長がズレ、出力が低下するのが基本的な特性です。

これを補正する機構を組み込んだ広温度範囲での動作保証を行った製品はデータセンター向けとは異なる技術が要求されます。

WaveSplitterではアジア地区の大手携帯電話事業者に2018年後半だけで千を超える数量の広範囲温度補償対応10Gbps SFP+トランシーバーが納品しています。納入ベンダー選択の際に評価された主な項目は以下の通り。

  • 広範囲温度補償(マイナス40度からプラス85度)
  • ER/ZRを含めた長距離製品のラインナップ
  • 一心双方向BiDIのラインナップ

 

温度補償範囲種別

D

C

I

15-55

  • Commercial Temperature Range(COM; 商業用温度範囲):0 ~ 70°C(32 ~ 158°F)
  • Extended Temperature Range(EXT; 拡張温度範囲):-5 ~ 85°C(23 ~ 185°F)

長距離対応

10GbpsのイーサネットではLRと呼ばれる最大10Kmのシングルモードファイバーで接続を想定した仕様の製品がデータセンターでは数多く利用されていますが。携帯電話設備ではそれよりも長距離の接続を可能にする40Km想定のER及び80Km想定のZRも使われます。

10G LRはO bandと呼ばれる高速な伝送を行っても信号の乱れが少ない波長を使用します(ゼロ分散波長)。しかし、この波長は光ファイバーによる信号強度の減衰の最低波長ではありません。そのため、長距離区間の接続にはC bandと呼ばれる1550nm前後の波長が使われます(最小減衰波長)

ER/ZRはこのC bandを使用するためにLRとは異なる技術が必要になります。

一心双方向対応

10G LRでは送信と受信それぞれにファイバーを使用する二心のファイバーが必要です。波長多重技術を使用し、一心のファイバーで双方向の通信を可能にしたのがBiDi(BI-Directional)です。トランシーバーのコストは波長の分離スプリッタなどが追加で必要になるため高価になりますが、長距離区間の場合は敷設する光ファイバーのコストがより重要なため使用されます。

 

5G対応