使用部品による分類
トランシーバーの仕様は一般的に伝送距離を軸に整理されますが、ここでは構成している部品による分類を行います。送信に使うレーザーがDFB/DMLなのかより長距離向きのEMLなのか。受信が通常のPDなのか高感度のAPDなのかで分類します。
レーザーについては温度管理を行い波長の揺らぎを抑制するTECを装備しているかどうかも分類基準になります。
パッケージはSFP28、製品型番は製品化以前の仕様検討中の物を含みます。
WDM方式 |
DFB/PD |
DFB-H/PD |
DFB-H/APD |
EML/PD |
EML/APD |
---|---|---|---|---|---|
none | WST-S28-LR |
WST-S28-ERL
|
WST-S28-ER
|
||
BiDi | WST-S28-BX1 | WST-S28-BX4A | |||
CWDM6 | WST-S28-CM1 |
|
N/A | N/A | |
CWDM(S+C) | WST-S28-CM1E | ||||
MWDM |
TEC付き
WST-S28-MM
|
N/A | N/A | ||
LAN WDM | WST-S28-LM1 | WST-S28-LM3 | WST-S28-LM4 | ||
DWDM | N/A | N/A | N/A |
送信側は-7dBm程度の弱いDFB,+1.0程度の強いDFB、+1.0程度の強いEMLの三種類にTEC有る無しの種別
受信側は-14dBm程度の通常感度のPD、-18dBm程度の高感度APDの二種類
温度範囲による分類
基本的に製品番号の最後のアルファベットが温度範囲を示しています。
- C temp : 0 to 70°
- E temp : -20 to 85°
- I temp : -40 to 85°
温度範囲は使用するICの保証温度範囲が重要な要素ですが。
TECを備えていない製品ではレーザーの低温での性能保証が難しく、IではなくE仕様となってしまうことがあります。
PN | WDM | distance | TX | RX | C | E | I |
---|---|---|---|---|---|---|---|
WST-S28-LR | none | 10km | DML(-7.0) | PD(-12.0) | ◯ | ◯ | |
WST-S28-ERL | none | 30km | DML(4.0) | PD(-13.4) | ◯ | ◯ | |
WST-S28-ER | none | 40km | DML(4.0) | APD(-17.4) | ◯ | ||
WST-S28-BX1 | BiDi | 10km | DML(1.0) | PD(-11.0) | ◯ | ||
WST-S28-BX4 | BiDi | 40km | DML(0.0) | APD(-18.0) | ◯ | ||
WST-S28-CM1 | CWDM | 10km | DML(-7.0) | PD(-11.3) | ◯ | ◯ | |
WST-S28-MM1 | MWDM | 10km | TEC DML(2.0) | PD(-14.0) | ◯ | ||
WST-S28-LM1 | LAN WDM | 10km | TEC DML(1.0) | PD(-14.0) | ◯ | ◯ | |
WST-S28-LM3 | LAN WDM | 30km | TEC DML(2.0) | APD(-19.0) | ◯ | ◯ | |
WST-S28-LM4 | LAN WDM | 40km | TEC EML(-1.6) | APD(-19.0) | ◯ | △ |
CWDM O band 6波(1270/1290/1310/1320/1350/1370)
LAN WDM O band 9波、12波
距離による分類
本来伝送装置の仕様は使用するファイバーの特性と許容減衰量が標されており、距離は参考値でしかありません。正しくデータが伝送されるには減衰量と分散量が許容範囲以下である必要があります。
許容減衰量は、受信の最低感度から送信の最低強度を引いた差ですので例えば受信感度が-19.0dBm、最低送信出力が2.0dBmであれば。19+2=21.0dB
減衰量は、使用するファイバーの長さとコネクターなどによる接続数でおおよそ決まります。
O band 1310nm近辺では一般的なシングルモードファイバーでは1kmあたり0.4dbの減衰量。コネクタ接続一か所あたり0.05から0.1dB程度を見積もります。
例えば、コネクタ接続10か所総ファイバー距離30kmの場合は
0.4 dB/km x 30 km + 0.1 dB x 10 箇所 = 13.0dB
分散ゼロの1310nm波長近辺ではほぼこの減衰量の見積もりで実際の利用可能環境が推定できるのですが、問題はそれを離れた波長です。減衰量は消費電力が許せば送信出力を上げるか受信感度を上げる設計ができますが、分散値は物理的特性なので基本的に対策はありません。
許容分散量は変調速度と復調機能の性能で決まり、分散量は波長とファイバー長で決まります。